11月 28 2015

ヒトラーは社会主義者

最近日本の左翼陣営は安倍首相をヒトラーになぞらえることが多い。独裁者というイメージを付けたいのだろうが、歴史を知らない間抜けな話である。

ヒトラーは独裁者である以前に社会主義者なのだ。日本の共産党や民主党が常に唱えている「格差是正」「労働者救済」「大型公共投資」などを公約にしてヒトラーは政権を取っていった。ナチス党の正式名称は「国家社会主義ドイツ労働者党」なのである。共産主義者や社会主義者と同じ思想の党がナチス党なのだ。

国家社会主義は共産主義とは思想的には双子と云われている。どちらも全体主義で「富の再分配」を常に公約にするからだ。自由主義や資本主義は必ず格差を生み、常に貧富の差が社会問題になる。不平等は自由主義のツケのようなものだ。不平等を嫌うなら社会主義や共産主義になるしかない。自由より平等を善とするのが社会主義だからだ。

第一次大戦で敗戦したドイツは莫大な賠償金を課せられ、世界恐慌の際には大不況に見舞われた。貧富の差は途方もないものだった。当時のドイツで富裕層と云えばユダヤ系だったのだ。ドイツのワイマール憲法がヨーロッパ各国で迫害されていたユダヤ系の人々を厚く保護していたからだ。ヒトラーはそこにつけ込んだ。

ユダヤ系のドイツ人は社会的人権を保障された憲法下で政界や経済界で成功し、各界を牛耳っていたのだ。特に金融界はユダヤ系が独占していた。貧乏にあえぐ非ユダヤ系ドイツ人労働者を喜ばせたのがヒトラーの金融界批判や富裕層批判だった。それはすなわちユダヤ批判になったのだ。

元々非ユダヤ系というのはドイツならキリスト教徒のことだ。キリスト教徒にとってユダヤ系が裕福になり自分たちが貧乏なのは神に対する冒涜でしかなかった。ヒトラーはキリスト教徒の心理をうまく利用した。もちろん自分自身も同じように感じていたはずである。

日本でも世界恐慌の波をもろに浴びて不況にあえいだ時代だ。財閥に偏った富に対して、農村では娘を身売りしなければ生きられない苦境があった。社会的正義感の強い、農村出身でもあった若き軍部の将校達は義憤を感じていた。そこに思想を与えたのが国家社会主義という平等思想だった。青年将校達は力ずくで世の中を変えようとして515事件や226事件を起こした。暗殺されたのは財閥の代表者や自由主義の政治家だった。

ヒトラーは富裕層のユダヤ系市民から財産を没収して公共投資に回し、アウトバーンなどの建設で雇用を増やした。不況は見事に克服されていったのだ。富裕層とはいえないユダヤ系市民も迫害に遭うようになり、ヒトラーが全権を委任されるようになると、ついにワイマール憲法は無効化されてしまった。

ヒトラーによるユダヤ系市民の虐殺にはこういう事情があるのだ。非ユダヤ系ドイツ人達は喜んでユダヤ人達を殴り殺していった。ナチス党の連中だけがユダヤ人迫害をしたのではないのだ。

中国共産党も貧乏で無学な農村の青年達に平等思想を吹き込んで、知識人や金持ちを殺して財産を山分けにすることを奨励した。貧乏な農民達は思想などどうでもよかったが、財産をぶんどれる口実を得たことで、共産思想は広がっていったのである。

日本の共産主義者や社会主義者も思想的にはナチスや旧軍部の青年将校達と同じ平等思想の持ち主だ。自由主義者の安倍首相をヒトラーになぞらえるのがどれほど間抜けかわかるだろう。ちなみに共産主義も社会主義も全体主義の思想である。そこには自由な考えは存在しない。皆が同じ考えを持つことが平等思想の要なのだ。だから自由な思想の持ち主を誹謗中傷してでも蹴落とそうとするのだ。彼らがやっていることを見れば一目瞭然である。