名優また一人逝く

菅原文太が亡くなった。享年81。高倉健を追うように逝ってしまった。

菅原文太もやくざばかり演じていた俳優だ。高倉健ほどジレンマは感じていなかったかもしれないが、もっと別の映画会社にいたら三船のように世界的になっていたかもしれない。コミカルな演技もできる役者だった。後年は渋い役どころでテレビにも出た。

高倉健といい、菅原文太といい、日本を代表する役者がやくざばかり演じていたのは頂けない。やくざ映画が好きな人はもちろんいるだろうが、所詮犯罪者社会、もしくは裏社会を背景にした物語には普通の正義や道理は描けない。伊丹十三監督の「マルボウの女」では、やくざ社会が描かれたが、主人公は弁護士であり、ホテルマン達であった。決してやくざそのものや服役した人間を主人公にはしていない。やくざをやくざらしく描いたせいで伊丹監督はやくざに襲われた。

日本では戦争映画を撮ると「戦争礼賛をするな」というお決まりの批判が出る。中華や朝鮮のプロパガンダに毒されて、普通の判断ができなくなっている人間の反応だが、こういう連中が、やくざ映画に「犯罪者や、やくざ礼賛をするな」と批判した例を知らない。単に怖いからだろうか?戦争映画を戦争礼賛と決めつけても、製作者が怖くないから批判するのだろうか?一度やくざ映画を批判してもらいたいものだと思う。

どう考えても、日本のやくざ映画は入墨者をカッコよく描いてきた。私は趣味ではないのでやくざ映画は見たことがないが、日本映画が世界的になれないのは生死をかけた戦いを犯罪者の社会でしか描けず、戦争映画をカッコよく描けないからだと思っている。

やくざの命のやり取りは所詮犯罪行為だ。しかし戦争での命のやり取りは犯罪ではない。これが判らなくなっている、理解できない日本は普通の国ではないのだ。それがわからない輩は多いだろうと思う。軍隊を人殺し集団だと思っているうちは日本は復活できない。

高倉健も菅原文太も後年は良い役を演じていた。冥福を祈りたい。

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